移住者・住宅購入者インタビュー
2020/03/12
目指すのは美祢市の魅力を発信するゲストハウス。観光の拠点にしていきたい。
- 矢田部沙季さん
- 創業
- 移住者
- Qいつ美祢市に?
- 移住してきたのは、2019年の4月です。高校まで福岡で過ごして大阪の大学へ進学し、その後、各地を転々としてから萩市見島で教員をしていました。素直で明るい子どもたちと温かい地域の方々に囲まれて送った見島での教員生活にすっかり満足し、「辞めるならこの充実感に満たされた今しかない!」と教員を辞め、思い切って移住したんです。
- Q移住地を美祢市に決めた理由は?
- 父が美祢市の出身で、幼い頃から里帰りなどで頻繁に訪れていました。その頃から祖父母の家から見渡せる美祢の風景や納屋の雰囲気が大好きで、「いつかこの場所を活かして何かしたい」と考えていました。
そして5年前、父の定年退職を機に両親が美祢市に移住したことをきっかけに、私もそこに加わりたいと思うようになりました。「だったら納屋を活かしてゲストハウスをしよう!」と思い立ち、移住を決断しました。
- Qなぜゲストハウスを開設しようと思ったのですか?
- 船で世界一周をしたり、アメリカでバックパッカーをしたり、日本各地の島をめぐったりと、以前は私自身が旅人でした。旅の道中にいろんな人たちに助けてもらった経験から、今度は私が旅人をサポートしたいと思い、何ができるかと考えたときに海外で利用したゲストハウスを思い出しました。
気軽に利用できて、いろんな人たちと交流できて…、こんな場所を私も作りたいと。そして、祖父母の家の納屋を活用する、旅人をサポートするという2つの夢を叶えることになったんです。
- Q移住と創業に対するご両親の反応は?
- 母は「いいんじゃない?」と。ただ、私が一度言い出したら聞かないタイプなので、言ってもムダと思われていた可能性はあります(笑)。父は「こんなところにお客さんは来ないだろう」と大反対でした。
けれど、「美祢には他の地にない魅力がある!」と根気よく説得を続けたことで最終的には賛同してくれ、それからは私の不在時に工事関係のことや手続きなど細々としたものを代わりにやってくれました。両親の協力があってこそ、創業できたと思っています。
- Q移住と同時にゲストハウスを開設したとお聞きしました。準備はどうされたのですか?
- 移住するギリギリまで見島で教員をしていましたので、合間を縫っては萩商工会議所に通い、創業や経営に関することを相談しました。一番大変だったのは、工事の進捗確認と打ち合わせですね。
見島と美祢を行ったり来たりで現場に滞在できる時間が短いため、「今すぐここで決断して!」という状況が多々ありました(笑)。結局、ゲストハウスが完成したのはオープンの1週間前で、そこから備品をそろえ、インテリアを整え、バッタバタでオープン当日を迎えました。
- Q創業資金はどのように準備されたのですか?
- 創業資金は貯金や両親からの協力を得て、主に工事費用や備品購入などに充てました。ほか、萩商工会議所から美祢市商工会につないでいただき、そちらで創業支援制度の情報を得て、美祢市の創業補助金を活用させていただきました。
申請のために必要な事業計画書はまだ見島で教員をしている間に作る必要があったので、萩商工会議所のご担当者から指導を受けて完成させました。この補助金のおかげで借入なしで創業でき、本当に感謝しています。
- Qゲストハウスの利用価格はどのように決めたのですか?
- これも萩商工会議所のご担当者にお力をお借りしました。全国のゲストハウスの平均を出してくださって、「だいたいこれくらいだよ」と。その価格を参考に周りの人に意見を聞いたり、すでにゲストハウスを運営されているオーナーさんにお話を伺ったりして決めていきました。
- Q移住に際して不安だったことはありますか?
- もともと父の実家でよく知っている土地ですし、何か困ったことやトラブルがあったとしても、すぐに両親に相談できる環境もありますし、見島にも3年いたので、田舎暮らしに慣れていたということから不安は全くありませんでしたね。ですから、美祢市の暮らしにはすぐに馴染みました。
- Q美祢市での生活で戸惑ったことや困ったことはありますか?
- 欲しいものが10分圏内にないときは、車で片道45分かけて買いに行くということはあります。大変そうに思えるかもしれませんが、私はむしろその時間が好きです。不便を楽しむというか、不便だからこそ得られるものがあると思っています。
この時代ですから、急ぎじゃなければインターネットで買い物をすることもできるので、快適に暮らしていますよ。
- Qゲストハウス「ひまわり」の魅力は何でしょう?
- 自然に囲まれた立地、納屋の雰囲気、そして美祢の美しい景色を見ながらゆっくりとした時間が過ごせるところです。もともとあった柱や梁を活かした温もりのある空間は居心地抜群です! ほか、美祢市の中心部にあるので観光拠点としても快適に利用していただけると思います。
- Qゲストハウスの現状はいかがですか?
- 旅行客はもちろんですが、近隣に工事に来られた方たちが連泊してくださったりと、想定していたよりも多くの方にお越しいただいています。最初は県外の方が多かったですが、今では県内から来てくださる方も増えてきました。
開設後1年間は宣伝広告費をかけない方針でやってきましたので、旅行サイトやSNSを見たという方、口コミや一度利用された方からの紹介という方たちがほとんどです。美祢市役所も各所に案内してくださっているので本当にありがたいです。
- Q移住・創業前に比べて生活はどのように変わりましたか?
- ありがたいことに営業日は忙しく、自分の時間が取りづらいこともあります。ただ、いろんな人たちと出会え、フリースペースで交流もできますし、自分の都合に合わせて休日の設定ができることを考えれば、全く苦にはなっていません。
やっと理想の生き方ができているなと感じています。ただ、休日にするとその分だけ収入は減りますので、今になって雇用されるということは楽だったんだなと思いますね。
- Q矢田部さんが思う美祢市の魅力を教えてください。
- すぐそばに自然があるところですね。それと、人がみんな温かいところです。父の地元ではありますが、私には美祢に親しい人はいません。それなのに、ゲストハウスをやると声をあげたら、地域の皆さんがベッド作りや珪藻土塗りを手伝いに来てくださいました。
「美祢の人はなんて優しいんだ…!」と感動しましたね。それと皆さんパワフルで個性的な方ばかりです。この方々がこれからどんどんつながっていけば、美祢市はより活性化してもっともっと魅力的なまちになると思います。
- Qゲストハウス「ひまわり」の今後の展望を教えてください。
- もっと多くの人に知ってもらって、たくさんの方に利用していただきたいですね。「美祢市に行くからひまわりに泊まろう」ももちろん大歓迎ですが、「ひまわりに行こう」とゲストハウス自体のファンも増やしていきたいです。
そして来てくださった方に美祢市のいろんなところを案内して、美祢市を好きになってもらいたいです。
- Q最後に、美祢市に移住を考えておられる方にひと言お願いします。
- 美祢市の方々は本当に温かくて優しい人ばかりです。美しい自然とのどかな環境を愛してくださる方であれば、きっと仲良くやっていけると思います。もっと美祢について知りたかったり、迷いがあったりする方はぜひ一度ゲストハウス「ひまわり」にお越しください。私の知っている美祢を全てお話しします!
プロフィール
矢田部沙季さん
職業:古民家ゲストハウス「ひまわり」オーナー
出身地:福岡県北九州市
現住所:山口県美祢市大嶺町
移住した年:2019年4月
古民家ゲストハウス「ひまわり」
山口県美祢市大嶺町東分906-1
080-8235-2777
https://himawari-guesthouse.com
お問い合わせ
- 美祢市 総務企画部 地域振興課
- 電話番号:0837-52-1128
FAX番号:0837-53-1959
メールアドレス:chiikishinkou@city.mine.lg.jp