移住者・住宅購入者インタビュー
2021/04/28
「農業=まちづくり」。農業は美祢の未来を切り拓くやりがいのある仕事です。
- 柴岡寛瑛さん
- 就農
- 移住者
- Q簡単なプロフィールを教えてください。
- 地元は下関市です。子どもの頃から農業に興味があり、豊田町の西市高校と防府市の農業大学校で農業を学びました。高校、農大と主に野菜づくりを学び、中でもメロンの栽培に力を入れていました。卒業後、美祢市厚保地域にある植柳ファームに就職し、現在に至ります。就職後、3カ月は下関から通っていましたが、忙しい田植えのシーズンを迎える前に美祢に移住しました。片道40分かかっていたのが12分に短縮され、体力的にとても楽になりました。
- Q就農地に美祢を選んだ理由は?
- 農大の研修で県内のいくつかの農場に行き、いろんな農業の形態を見た中で、集落で農業をしているところに就職しようと決めました。ただ単に仕事として農業をしているのではなく、集落を、地域を守るためにみんなで一緒にやっている感じがいいなと思ったからです。ちょうどその時に、植柳ファームに求人があり、まずは3日間研修させてもらったのですが、自然は豊かだし、地域の皆さんは優しいし…、とすっかり気に入ってしまいました。私の地元は下関の中でも割とにぎやかな地域なので、静かで落ち着ける環境なのもいいなと思いました。
- Q何の作目を作られているのですか?
- お米、大豆2作目のローテーションとキャベツ、アスパラガスを作っています。仕事内容は全般で、現場での作業もしますし、事務所でのデスクワークもこなします。一年のサイクルとしては、4〜10月は忙しく、11〜3月は若干落ち着いていますね。農業は日が昇って日が沈むまでが主な作業時間ですから、忙しい時期でも大体夕方6時には仕事を終えています。
- Q美祢での農業はいかがですか?
- 美祢は寒暖差がありますから、品目によっては難しいです。特に野菜は苦戦しますね。けれど、温度差があるからこそ甘みがつきやすいので、そこがウリにできます。つまり、温度管理さえ徹底すればおいしく育てることができるということなので、工夫次第といったところでしょうか。下関での農業を考えなかったわけではないですが、今は美祢の気候や土地について随分わかってきましたので、このままここでずっと農業を続けていくつもりです。
- Q農業のやりがいや面白さ、魅力は何ですか?
- 自分の作ったお米や野菜がスーパーに並んでいたり、それを買ったお客さんから「おいしかったよ!」と声をかけていただいたりした時が、やっぱり一番やりがいを感じる瞬間です。「もっともっとおいしいものを作っていこう!」と思いますね。農業の面白さは、同じことの繰り返しではなく、常に変化があることだと思います。毎年同じようにはならないので、それをいかに同じようにしていくか、悩みながら試行錯誤するのが楽しいです。自分が手をかけた分だけ、必ずいいものができるので達成感も十分に味わえます。あとは、今日はこういう流れで仕事をしよう、明日はここまでやろうとか、自分なりにスケジューリングできるのも農業の魅力だと思います。
- Q美祢の人たちとはすぐに馴染めましたか?
- 3日間の研修期間ですでに居心地が良かったです。農業をしたいと手をあげる若者が少ないので、皆さん気を使ってくださったのかもしれませんが、それにしても気さくに声をかけてくださったり、差し入れしてくださったりと本当に親切にしていただきました。移住後は市営住宅に住んでいるのですが、おかずをおすそ分けしてもらったり、お土産をもらったりとご近所さんもとてもいい人たちばかりです。植柳地域の方々と一緒に花見をしたり、飲み会をしたりしますし、お祭りやイベントにも楽しく参加しています。一昨年はついに夏祭りで司会も務めました(笑)。それくらい美祢の人たちと馴染んでいると思っています。困ったことがあれば職場の先輩や農業仲間、ご近所さん、美祢市の方に相談できますし、美祢の人の温かさに支えられているからこそ、今の私があると感じています。
- Q美祢市の住み心地はいかがですか?
- 空気は澄んでいるし、夜は鹿の鳴き声が聞こえるほど静かだし、穏やかな生活が送れています。大きなスーパーもドラッグストアもありますから、生活に困ることはありません。よっぽどの場合は車で市外に出かければいいですし、インターネットで取り寄せることもできますから不便さは感じませんね。下関のように海が近くにありませんが、その代わり、四季によって変わる山の姿を楽しむことができます。窓を開けたらすぐ目の前に山があるこの環境が、私にはすごく合っていると思います。
- Q美祢市での生活で戸惑ったことや困ったことはありますか?
- 一番困ったのはゴミの分別方法の違いでした。同じ県内でも自治体によってこんなに違うのかと驚きました。移住当初は娯楽施設がないことにも戸惑いましたが、車さえあれば下関、山陽小野田、宇部、山口に1時間あれば行ける場所ですから、大した問題じゃありません。驚いたのは冬の寒さです。毎日フロントガラスが凍り、霜が降りるので、温かい下関から移住した私にとっては衝撃でした。帰省した際に下関は4℃だったのが、美祢に帰ってきたらマイナス1℃だったこともあり、この違いにはびっくりです。まあもう7年住んでいますので、すっかり慣れてしまいましたけど。
- Q美祢市の魅力とはなんですか?
- やっぱり人の温かさと美しい自然だと思います。私のような移住者にも分け隔てなく接してくださいますし、皆さんとにかく面倒見がいいです。美祢の人の温かさにふれて、私自身も丸くなったな、穏やかになったなと感じます。自然に関して言えば、市役所前の厚狭川の桜や別府弁天池、秋芳洞など、記憶に残る印象的な観光スポットがものすごく多いんですよね。ドライブが趣味なのでもう行くところがないくらい美祢市内を回りましたが、本当に素敵な場所ばかりです。ぜひたくさんの人に見ていただきたいですね。
- Q美祢への移住、就農を考えておられる方にアドバイスをお願いします。
- 移住、就農にあたり、多少なりとも不安があるかと思います。美祢には相談窓口もありますし、先輩移住者メインで結成した「みねぐらし応援団」もあります。少しでも聞きたいことがあったり、疑問がある場合はぜひ扉を叩いてみてください。きっと役立つ情報やアドバイスがもらえ、不安の解消につながると思います。就農を希望されている方は、美祢市独自の農業応援事業のチェックをおすすめします。就農後5年間の家賃補助やリフォーム改修費補助など支援が充実しています。私も家賃補助を受け、とてもありがたかったです。
- Qそれでは最後に今後の展望を教えてください。
- 美祢の農業は農業従事者の高齢化、人手不足という問題を抱えています。先代が育て、守ってきてくれた農業をいかに次の世代につなげていくかが私に与えられた使命だと思っています。当ファームでは、記録のデータ化に取り組むなど、ITを導入した管理を進めていますが、それでも人がいないと将来はありません。ですから、美祢の農業の魅力を発信したり、おいしいお米や野菜を多くの人に届けることで、「一緒に働きたい!」「美祢の農業を盛り上げたい!」と思ってくださる方を一人でも増やすことが私の目標です。また、美祢において農業が発展することは、地域が発展することにもつながります。美祢の農業従事者は美祢市自体を守り、支えていると思っています。今は4作目を作っていますが、人が増えればもっとたくさんのことができるはずです。そうなれば、もしかしたら「植柳メロン」が誕生する日もくるかもしれません(笑)。植柳ファームの農業は人の温かさに支えられた農業です。興味がある方はぜひ一度お越しください!
プロフィール
柴岡寛瑛さん
職業:農事組合法人 植柳ファーム 代表理事
出身地:山口県下関市
現住所:山口県美祢市東厚保町
移住した年:2014年4月
お問い合わせ
- 美祢市 総務企画部 地域振興課
- 電話番号:0837-52-1128
FAX番号:0837-53-1959
メールアドレス:chiikishinkou@city.mine.lg.jp