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移住者・住宅購入者インタビュー

2022/03/01

「山づくり=まちの魅力づくり」。美祢市を選んでもらえる田舎にしたい。

園田秀一郎さん
Uターン

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Q美祢市にUターンされたのはいつ?
2001年、24歳のときです。高校を卒業後、県外の専門学校への進学を機に美祢市を離れ、そのまま県外で就職しました。最初は建築会社で設計や現場監督をしていたのですが、監督ではなく作る側がしたいと思い、木工所に転職して家具職人をしていました。
QなぜUターンされたのですか?
家具職人をしているときに、家具の面白さや奥深さを知りました。次のステップとして、家具修復職人を目指してイタリアに行ったのですが、途中でお金が尽きて…。働くところはないし、借金はあるしで、仕方なく美祢市に戻ってきたんです。本音を言えば、戻りたくはありませんでした。
Q美祢市に戻りたくなかったのはなぜ?
都会への憧れですかね。田舎が嫌いだったんです(笑)。そもそも県外の専門学校を選んだのも美祢市を離れたかったからです。
Q久々の美祢市での暮らしはいかがでしたか?
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1ヵ月くらいは失意のどん底で引きこもっていましたが、父の仕事を少しずつ手伝うようになりました。私が小学1年生くらいまでは、父は専業で椎茸栽培をしていたのですが、その後は、林業とか土木とか全然違う仕事をするようになっていました。Uターンしたときには、仕事の一つとしてログハウスを建てていましたから、二級建築士の資格があって、木工職人の経験もある私が手伝うにはぴったりの仕事でしたね。そのうちログビルダーが私の本業となり、2014年まで続けていました。
Qなぜログハウスづくりをやめて就農することに?
ログハウスってすごく特殊で、寝泊まりしながらずっと付きっきりで建てていくので、特に県外からの注文だと子どもとの時間が本当に取れないんです。それに、何百万、何千万のお金が動きますから、お客さんとのやり取りに疲れてしまったことも一因です。以前から、子どもに働く姿を見せたかったですし、できれば、一緒に働くこと、家族で商売することを経験させたかったので、農業ならちょうどいいと思いました。
Q数ある品目の中から椎茸を選んだ理由は?
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ログハウスづくりをしながら、森林組合の仕事もしていたのですが、木に触れ合うことでとても穏やかな気持ちでいられましたし、山の中で食べるお昼ご飯がすごくおいしかったので、ずっと山で働いていたいと思うようになりました。生業にできて、しかも山のためにもなるものがないかと考えたとき、ふと父がやっていた椎茸の原木栽培を思い出しました。キノコ栽培には寒暖差のある森が適していますので、日中の温度を上げるためには間伐や枝打ちが必要になります。つまり、椎茸を栽培するには、必ず山を手入れしなければなりません。自分のやりたいことを叶えるには、これしかないと椎茸栽培を選びました。
Q就農すると伝えたときのご家族の反応は?
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ログビルダーをしていた頃は仕事のことで頭がいっぱいで、すごくピリピリしていたそうです。ですから、穏やかな気持ちが取り戻せるのならと賛成してくれました。「椎茸で稼ぐのが目的だったら就農は反対していたが、山をきれいにしたい、心安らぐ暮らしをしたいと言われたので賛成した」と妻が何かのインタビューで答えているのを知り、良き理解者を持って心から幸せだと思いました。妻は農作業に加わってくれていますし、本当に感謝しています。
Q就農後、暮らしはどう変わりましたか?
美祢市の就農支援補助金を活用して8年前から椎茸づくりをスタートし、原木から椎茸が収穫できるようになるまでの2年間は建築の仕事も続けていました。十分に収穫できるようになってからは、椎茸栽培だけで暮らせています。椎茸は収穫期の春と秋に、原木から一気に出てきます。一晩越して開きすぎると商品になりませんので、一番ベストな瞬間を見計らい、まるで椎茸と競争しているかのように次から次へと収穫しないといけません。トラックの荷台にこんもりと山盛りになった椎茸を見ると、ものすごい喜びと達成感があります。ただ、やっぱり生き物を扱う仕事ですから日々の手入れが必要ですし、天候にも左右されますし、大変なこともあります。でも、山を美しく保てていること、生業になっていること、家族と一緒にいられることなど、私にとってはいいことづくしなので、就農してよかったと心から思っています。
Q美祢市の魅力とはなんですか?
山を好きになってやっと見えてきた美祢市の魅力は、「中途半端さ」です。都会が好きな人は都会に住めばいいし、もっと田舎が好きな人はど田舎に住めばいい。でも、暮らしに不便がない程度の田舎に住むのなら、美祢市はベストだと思います。ただ、椎茸栽培をしたいに人にとっては、すごく魅力的なまちです。まず椎茸の原木となるクヌギがたくさん生えていますし、市有林を開放するなど美祢市も椎茸産業を積極的に応援してくれています。
Q美祢市で就農を考えておられる方にアドバイスをお願いします。
おすすめのスタイルは、半農半椎茸です。椎茸の収穫がピークを迎える春・秋以外は、ほかの農作物に手をかけることが可能です。私は就農当時から、自分の山の荒れた部分に、クヌギの木を年間300〜500本植えてきました。原木が必要という方は一言お声がけいただければ、しっかりとサポートいたします。
Qそれでは最後に今後の展望を教えてください。
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私は自分のことを椎茸農家ではなく、「山づくりをしながら、椎茸を栽培している人」だと思っています。ですから、いずれはスタッフを増やし、椎茸栽培は任せて、山づくりに集中したいです。私が思う田舎の魅力は「美しい里山」です。田舎の田畑や山が荒れていたり、休耕田が多かったり、太陽光電パネルがずらりと並んでいたら、なんとなくがっかりしませんか? 新しいものをつくって発展させることも人に来てもらうための手段だとは思いますが、今あるものを大切にし、活かすことも重要だと思います。私は今後も山づくりを継続し、美祢市を「選んでもらえる田舎」にしたいと考えています。そのためには仲間が必要なので、山の魅力、椎茸の魅力も発信していきたいです。あんなに美祢市が嫌いだった私が、今は美祢市に人を呼ぶために力を尽くしています。それほど美祢市の山には守るべき価値があるのだと思います。
 

インタビュー年月:2022年2月

プロフィール

園田秀一郎さん
職業:園田きこり農園
出身地:山口県美祢市
現住所:山口県美祢市
移住した年:2001年1月

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